ホーム  >  岡崎市・安城市・豊田市の不動産は株式会社虹色どうぶつ不動産  >  売却相談事例  >  相続した実家を売却 遠方の祖母の「実家じまい」をした僕たち家族の話【後編】

相続した実家を売却 遠方の祖母の「実家じまい」をした僕たち家族の話【後編】
カテゴリ:売却相談事例  / 投稿日付:2026/09/15 19:34

相続した実家を売却
遠方の祖母の「実家じまい」をした僕たち家族の話
【後編】






前編では、父が相続した和歌山県新宮市の祖母の家を、僕が手伝って「実家じまい」した話を書きました。

僕は普段、不動産会社の代表として、お客様の不動産売却をお手伝いしています。

でも今回は、

僕自身が「遠方にある家族の実家を売却する側」になりました。

そこで改めて感じたことがあります。

それは、

「高い査定額=その金額で売れる」わけではないこと。

不動産屋としては当たり前に分かっていたことですが、自分の家族が売主になると、少し違った角度から見えるものがありました。

今回は、その話を書いてみたいと思います。


父が気になっていた「家を高く売りませんか?」という広告


今回の実家じまいで、僕にとって少し印象的だったことがあります。

父は、僕が不動産屋であるにもかかわらず、インターネットなどでよく目にする、

「あなたの家、いまなら高く売れます」

といった不動産売却の広告を気にしていました。

僕は祖母の家がある地域や不動産の状況を考えて、

「現実的には、このくらいで考えた方がいいと思うよ」

と話していました。
でも父としては、

「もしかしたら、もっと高く売れるんじゃないか」

という期待があったのだと思います。

最初は、

「いやいや、僕、不動産屋なんだけどな」

とも思いました(笑)

でも、今回自分自身も売る側になって考えてみると、父の気持ちも分かります。

家族が所有している不動産です。

少しでも高く売れるなら、高く売りたい。

それは売主として当然の気持ちです。

だからこそ、

「高く売れるかもしれない」

という言葉は、とても魅力的に見えるのだと思います。


不動産屋の僕も、一括査定を実際に使ってみました



そこで今回、僕自身も一般の売主様と同じように
不動産の一括査定サービスを利用してみました。

普段は査定する側ですが、

「実際に祖母の家を入力したら、どういう結果になるんだろう?」

という興味もありました。

祖母の家がある地域は、そもそも対応している不動産会社が多いエリアではありませんでした。

僕たちの場合は実際にはエリアの問題があり、
広告にあるような10社からの査定での比較はできませんでした。

一括査定の査定書が5社くらい届き、目を通しましたが
不動産屋の僕が見ても「こんなに高く誰が買うの?」という相場よりも高い査定書でした。

最終的に祖母の家は売却出来ましたが、売却先は今まで僕がお取引させて頂いてた会社です。

なので

決して父の思うような「思っていた以上に高く売れた」という結果にはなりませんでした。

僕たち家族としては、

「大きなマイナスにならず、きちんと次の方へ引き継ぐことができれば」

という感覚と、相場だとそうだよねという納得にに近い売却でした。


過疎化地域だと不動産だからといって、必ず資産になるとは限らない


不動産を相続すると、

「土地と建物があるのだから、ある程度の資産になるだろう」

と思うかもしれません。

もちろん、そういう不動産もたくさんあります。

ただ、不動産の価値は地域によって大きく違います。

需要のある地域もあれば、人口減少などによって買い手が少ない地域もあります。


今回の祖母の家は、

「どれだけ高く売れるか」より、「きちんと売却できるか」

を考える必要がある不動産でした。

誰も住まなくても管理は必要です。

固定資産税などもかかります。

建物は時間とともに古くなります。

だから今回の実家じまいは、

売却して大きな資産を残すというより、将来の負担を父の代で整理する

という意味の方が大きかったと思います。


そして気づいた「査定額」と「売れる価格」の違い


不動産売却査定や一括査定を利用をすると、複数の不動産会社から査定が届くかと思います。

たとえば、

A社 2,500万円
B社 2,700万円
C社 3,100万円

という査定結果が出たとします。

売主の立場なら、

「3,100万円と言ってくれた会社が、一番高く売ってくれるのでは?」

と思いますよね。

父の反応を見ていて、僕も改めてそう思いました。

でも、不動産会社が提示する査定価格は、
買主がその金額で買ってくれることを保証する価格ではありません。

大切なのは、

「3,100万円と言われたこと」ではなく、「なぜ3,100万円なのか」

です。

周辺で実際にいくらで売れているのか

現在どんな物件が売りに出ているのか

土地の条件はどうなのか

建物はどう評価されるのか

その地域でどのくらい需要があるのか

そうした根拠を確認する必要があります。


少し高めから売り出す「チャレンジ価格」という考え方



不動産売却では、相場より少し高めの価格から販売をスタートすることもあります。

いわゆる「チャレンジ価格」です。

これは決して悪い方法ではありません。

売却を急いでいなかったり、条件の良い物件だったりすれば、

「まずは少し高めから市場の反応を見てみましょう」

という販売戦略を取ることもあります。

僕自身も、それ自体を否定するつもりはありません。

ただし、注意してほしいことがあります。

「高めから挑戦すること」と「高い査定額なら高く売れると思ってしまうこと」は別です。

チャレンジ価格で販売するなら、

「この価格ならどのくらいの期間試すのか」

「反響がなかった場合はどうするのか」

「実際の相場はいくらくらいなのか」

まで理解したうえで進めることが大切です。


「とりあえず高く出しておけばいい」とも限らない


売主としては、

「高く出して、売れなければ後から下げればいいのでは?」

と思うかもしれません。

もちろん、その方法が合うケースもあります。

ただ、不動産には売り出した直後だからこそ注目してもらいやすい時期があります。

購入を検討している方は、インターネットで新着物件をチェックしています。

そこで相場から大きく離れた価格になっていると、

「ちょっと高いな」

と最初から検討対象から外れてしまうことがあります。

その後、価格を下げても、

「前から売りに出ている物件だな」

と見られることもあります。

だから、

「最初にいくらで売り出すか」も、実は大切な販売戦略の一つです。


祖母の家では「売れる機会を逃さないこと」の方が大切でした


今回の祖母の家については、特にそうでした。

需要がたくさんある地域ではありませんし、田舎ですので知り合いが多い地域です。

一括査定を利用しても、根拠のない高い査定書だけが届き
チャレンジ価格をすることによってマイナスになるエリアでした。

そういう地域では、

せっかく購入を検討してくれる方が現れたときに、そのご縁を大切にすること

のほうが重要だと思います。

もし僕たちが、

「広告ではもっと高く売れると言っていたから」

「もう少し待てば、もっと高い人が現れるかもしれない」

と価格だけにこだわり続けていたら。

今回の売却の機会を逃していた可能性もあったと思います。

数年後には建物がさらに古くなっています。

その間も管理は続きます。

だから僕たち家族にとっては、

「最高値を待ち続けること」より、「納得できる条件で、きちんと実家じまいをすること」

の方が大切でした。


父を見ていて「売主の気持ち」が以前より分かるようになった



今回、僕にとって一番大きかったのはここかもしれません。

僕はずっと不動産屋として、

「査定額と成約価格は違います」

「相場を見て価格を決めましょう」

とお客様に説明してきました。

でも今回は、僕の父が売主です。

そして父は、

「広告にもっと高く売れると書いてある」

と思っていました。

当たり前ですよね。

自分の親が残した家です。

少しでも価値があると思いたい。

少しでも高く評価してもらえたら嬉しい。

僕自身が家族の実家じまいを経験したことで、

売主様が「高い査定額」に惹かれる気持ちも、以前より分かるようになりました。

だからこそ、
高く売る努力は惜しみなく精一杯する。
けど、

なぜこの価格なのか。
どのくらいなら売れる可能性があるのか。
高値を狙うなら、どこまでなら現実的なのか。

そこまで一緒に考えることが大切なのだと思いました。


不動産会社を選ぶなら「査定額」より聞いた方が良いポイント

これから不動産の売却査定を予定している方には、一番高い査定額だけを見て不動産会社を決めるのではなく、いくつか確認してみてほしいポイントを紹介します。

「この査定額の根拠は何ですか?」

「近くでは、実際にいくらで売れていますか?」

「この価格で売り出した場合、どのくらいの期間を想定していますか?」

「反響が少なかった場合、次はどうしますか?」

こういう質問をしたときに、

数字だけではなく、理由まできちんと説明してくれるか。

きちんと売却できるまでを考えて査定をしているかの説明があるか。
そこを大切にしてほしいと思います。

不動産売却は、

一番高い査定額を出してくれた会社を選ぶことではなく、
自分たちが納得できる売却方法を一緒に考えてくれる人を選ぶこと

なのかもしれません。


県外から愛知県の実家売却をお考えの方へ


僕たちの場合は、愛知県に住みながら和歌山県にある祖母の実家を売却しました。

でも、逆の立場の方もたくさんいらっしゃると思います。

現在は東京や大阪など県外で暮らしていて、

岡崎市に相続した実家がある

安城市の親の家が空き家になっている

豊田市の実家を売却したい

と売却査定を検討している方。

長く愛知県を離れていると、

「今、この辺りはいくらくらいなんだろう」

「どこの不動産会社に相談すればいいんだろう」

というところから始まることもあると思います。

そんなとき、一括査定などを利用して複数の査定額が出てきたら、

一番高い数字だけを見るのではなく、その数字の「理由」を比べてみてください。


そして、

「高く売れる可能性」

だけでなく、

「実際にどうやって売るのか」まで説明してくれる会社かどうか。
そこまで確認してから選ぶことを実際に不動産屋でありながら

一括査定サイトを利用してみた僕からの経験談としてお伝えさせて頂きます。


Q&A|一括査定・査定価格について


Q. 一括査定で一番高い金額を出した会社を選んだ方がいい?

A. 査定額だけではなく、その金額になった根拠や販売方法も比較することをおすすめします。


Q. 査定価格で必ず売れますか?

A. 査定価格はあくまで売却価格を検討するための目安です。実際の成約価格は買主の需要や物件の条件などによって変わります。


Q. チャレンジ価格はやめた方がいい?

A. 必ずしもそうではありません。少し高めから販売することも一つの方法です。ただ、期間や価格変更の基準なども決めておくことが大切です。


Q. 県外に住んでいて、愛知県の相場が分かりません。

A. まずは実家周辺の成約事例や現在の販売物件などを確認し、査定額の根拠を説明してもらうと判断しやすくなります。


Q. 古い実家でも査定する意味はありますか?

A. あります。建物が古くても土地として評価できる場合があります。「古いから価値がない」と決める前に確認してみることをおすすめします。


祖母の家の売却や実家じまいを経験して、僕が思うこと



前編・後編に分けて、僕たち家族の実家じまいについて書いてきました。

今回、僕自身が売却する側になって、一つ考え方が変わりました。

不動産屋としては、


「相場を調べる」

「査定する」

「販売する」

ということを日常的にしています。

でも売主にとっては、その一軒が家族の家です。

だから、

「少しでも高く売りたい」

と思うのは当然です。

僕の父もそうでした。

その気持ちを否定するのではなく、

「できるだけ高く売りたい」という気持ちと、「実際に売れる価格」の間を一緒に考える。

それが大切なのだと思います。

僕たち家族の場合は、決して高値で売却できた実家ではありませんでした。

それでも父が元気なうちに整理でき、次の世代へ管理の負担を残さずに済んだ。

僕たちにとっては、それも一つの「良い売却」だったと思っています。


現在、県外に住みながら愛知県にある実家の売却を考えている方も、

まずは、

「いくらで査定されたか」だけではなく、「なぜその価格なのか」

を聞いてみてください。

その説明を聞いたうえで、

「この人なら、実家のことを任せても大丈夫そうだな」

と思える人を選ぶ。

実家の売却では、それも大切な不動産会社選びの基準なのではないかと思います。

僕自身も今回、遠方の祖母の実家を売却した家族の一人です。

だからこれからも、査定額という数字だけではなく、

その家を手放すご家族が何を大切にしたいのか。

そこから話を聞ける不動産屋でありたいと思っています。

前編・後編と長くなりましたが
不動産会社の社長が祖母の家を売却して家じまいをした現実の体験談として参考にして頂ければと思います。

ページの上部へ